【ご相談内容】
前回の放送で、空き家問題の話を聞きました。空家対策特別措置法の話もされてました。実は、私の近所にも荒廃した建物があって、近隣の方が結構、行政に相談しているのですが、余り進んでいない印象です。先日の放送で、命令とか勧告とかのキーワードを出されてましたが、もう少し教えていただけますか?近所の皆さんも、どういう流れになるのがよく分かっていないからです。
Q 前回は、隣の建物が倒れそう。どうしたら良いか?といったご相談でしたね。
A で、建物所有者に対して①その状態をどうにかしてくれ、という請求、或いは、②こちらで修繕などの対応したから、それにかかった費用を支払ってくれ、といった請求の他に、③自治体に働きかけるという方法もあるという話をしました。最終的には、法律に基づいて自治体が建物を解体(除却)してくれることを、近隣住民として願うわけです。
Q 今回のご相談は、どういうステップを踏んでいくのか教えて、とのこと。
A 非常に長い道のりになる。根強く自治体側に要請していくということが前提の話。根本的に、その空き家は自治体の所有物ではありません。あくまでその建物所有者の財産なのです。ですから、本来、その空き家をどうするかはその所有者の勝手であって、第三者である自治体(もちろん隣人や近隣住民も含まれます)が、あ~だ・こ~だと口を出せるわけではありません。
要請を受けた自治体としては、まずは、所有者を探して、立ち入り調査をします。現状、建物がどういう状態なのか?という視察ですね。
で、①倒壊の危険性あるね、②衛生上、ものすごく有害だね などと判断できる空き家の場合、その所有者に対して、修繕、伐採、解体などの必要な措置をするよう【助言・指導】する。
Q 所有者に、修繕などを促す、というニュアンスなんでしょうかね?
A レベル的にはゆるいものです。状況が改善されないと、次は、必要な措置をとるよう【勧告】します。
ただ、これもニュアンス的には、修繕などを強く促す、という程度の意味です。
ただ、これを受けると、その建物が住宅用建物であることを理由に固定資産税・都市計画税の軽減されていたという今までのメリットが取り除かれ、固定資産税が最大6倍、都市計画税が3倍に膨れ上がることになってしまいます。
Q そのままにしていると税金の負担が増えるよ、という一定のプレッシャーになるわけですね?
A とはいえ、税金そのものがたかが知れている場合もありますし、あるいは、それでも支払わないケースもあります。その場合には【措置命令】を出す。命令ですね。ただ、勧告であれ、命令であれ、一定期間内に対応しなさいとういう期限を設けたうえで所有者に通知するわけですから、その「一定の期間」というのが経過してくれないと次のステップに進めない。これもまた長期化する一つの理由ですね。これでも改善されない場合、いよいよ【行政代執行】と言って、自治体自らが、建物解体に着手することになる。
Q ということは、たとえどんなに時間はかかっても、いずれは自治体が解体に取り掛かってくれるということですか?もしそうであれば、待ちさえすればよいので、一応、安心ですが・・・・?
A 違います。命令を出しても改善しなかったからじゃぁ自治体が行政代執行という手続きを取らなきゃならない、わけではない。義務ではないんですね。行政代執行という次のステップに行くこともできる、という立て付け。解体にはお金がかかります。行政代執行に取り掛かった後、建物所有者に解体費用を払いなさいと納付命令を出すこともできますし、財産の差し押さえをすることもできます。しかし、そういった財産があれば…の話ですよね。
