マンション決議の簡素化について

【ご相談内容】

A  2026年の法改正のうち比較的身近なものがもう一つありましたので、それをご紹介します。分譲マンションに関するルール変更。分譲マンションの内部関係を規律する区分所有法というのがあるのですが、その中から二つ紹介。

Q 分譲マンションというと、「二つの老い」があるといわれますね。一つは入居者の高齢化、もう一つは建物自体の老朽化。

A まさに二つの老いを迎えるマンションにおいて、困ったことが一つ起きている。以前住んでいた方が最近はその姿を見なくなった・・・。亡くなったのだろうか、介護施設か何かに入っているのだろうか・・・・。

自分たちのマンションの将来を考える場、対策を決める場というのを集会(たいていは通常総会)と言いますが、行方の分からない区分所有者は、当然集会に参加しないし、賛成なのか反対なのかの意思表示ができないわけですよね。その結果、事実上その人は反対の意思表示をしたと評価されることになります。総会や理事会からすれば、せっかく前に進もうという時に、つまり賛成多数で可決したいのに、その区分所有者が不明だということで反対票が一つ増えることになる

Q 反対票としてカウントされることが、前に進むための弊害の一つということですね?

A そう。なので、管理組合が裁判所に訴え出て、「101号室の区分所有者は所在不明だから、決議の頭数・母数から覗いたうえで、議決を取らせてください」と申し出ることができる。なので、例えば今まで30名の区分所有者のマンションの場合、今までは総数30で考えなければならなかったのだけど、これからは総数29を前提に議決要件を満たせば良いことになります。

Q なるほど。裁判所での手続きは必須ということで、管理組合の方で勝手にカウントを減らしてよいわけではない、ということですね?

A そう。裁判所の手続きをしない限り、あくまで総数は30で考えなければなりません。

 もう一つも、総会決議の簡素化にかかわるものです。先ほどの所在不明者ではなく、実際にそこに住んでいるんだけど、マンションの管理について関心のない区分所有者というのもいるわけです。もちろん、施設等に入っていて集会に出られないというケースもある。で、集会で決議を取るときに、過半数とか3分の2以上の賛成といった言葉聴いたことありません?

Q 選挙とか会社の役員会とかでも出てきますよね?

A で、マンションの総会は、委任状提出も含めても出席率が低かったりする。そうした時に、そもそも定足数満たさないじゃないか…ということで、集会の開催自体が流れるなんてこともありうるわけです。そうすると時間がもったいない。やはり前に進めない。

で、今回の法改正で、その多数決要件を緩和しました。

建物の定期的な修繕とか外壁塗装といった管理事項については、出席した区分所有者の過半数で決めることができるようになります。今までだったら、そもそも過半数以上の出席自体が求められていたのだけど、過半数に満たなくても、出席した区分所有者の中だけで決めることができる場面が増えます。

管理規約の変更とか共用部分の変更などいわゆる特別決議とされるような決定事項についても、全体の3分の2とか4分の3ではなく、出席した区分所有者の3分の2とか4分の3でよい、ということになる。

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