隣の空き家が不安・・・

【ご相談内容】

隣の空き家がとても老朽化しており、一部の壁は傾いており、倒壊してしまうか不安です。聞くところによると、所有者は存在するようなのですが、動いてくれません。仮に私の方で、壊れたところ、崩れたところを補修した場合、その費用はお隣に請求できるのでしょうか?

A 結論としては請求できます。できますが・・・というお話になります。 先日、とある自治体で開催された法律相談担当だったのですが、6件の相談のうちなんと3件もこの種の相談でした。倒壊の恐れがあるかどうかはともかく、とにかく隣の空き家の老朽化が気になるという点で共通していました。で、本題に戻りますが、本来ならご相談者はお隣に対して、妨害予防請求とか妨害排除請求というのをまずは考えることになります。

Q 妨害予防、妨害排除??

A 倒壊の危険があるということで、実際倒壊してしまったらご相談者の土地建物に被害が及ぶわけです。そこで、その所有者として、空き家の所有者に対し、私の所有権という財産権を侵害してはならない、だから、今の状況をどうにかせよ、という請求なんですね。で、そういった請求を書面で出して,お隣が対応してくれれば良いけど、大抵はそうならない。とすると、訴訟をするしかないということになる。

Q 手続的に厄介、ということですね?

A だから、もう一つの考え方や方法論として、とりあえずご相談者のほうで今の状況の補修・管理を行った。ただ、当然費用がかかった。ご相談者がいったん立て替えて支払ったその費用を支払え,という方法もあります。

Q そうすると、一旦、被害は防げるし、不安もなくなりますね?

A そうですね。大雨の時や台風の時、夜眠れなくなるという不安は解消されるかも知れません。が、しかし、空き家の所有者が費用を支払ってくれるとは限らない。そうなると、こちらも訴訟ということになるし、お隣さんの経済状態にもかかってくる。

Q せっかく裁判で勝っても、意味がないってことですよね?

A 幸いにも売れそうな物件であれば、競売に掛けて少しでも補修費用を回収するということもありますが、市場性がないような場合はやはり壁に当ってしまう。

で、もう一つ、なかなかハードルは高いが、やり方自体はある。

A どういう方法ですか?

Q  自治体に働きかける方法です。空き家対策特別措置法(「空家等対策の推進に関する特別措置法」)を使って、建物を解体してくれ、と働きかける。

要請を受けた自治体が、空き家の所有者を見つけ出し、助言・指導によって補修工事等を促し、状況改善が見られない場合に勧告へと移行します。空き家の所有者が勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例が適用除外となり、税制上の優遇が解除されます。固定資産税等がボーンと跳ね上がるわけです。

さらに改善されない場合、法的拘束力を伴う命令が出され、これに違反すると過料の対象。最終段階は行政代執行です。所有者が命令に従わない場合、自治体が建物除去(解体)等を行い、その費用を原則として所有者に請求します。やはりここでも、空き家所有者が補修費用を本来的に負担しなければなりません。ですが、もしお金がなかったら・・・・?

結局この問題は、この改修・解体費用をだれが負担するのか???という大きな問題に行きつくことになり、一筋縄では解決しないことが多いですね。

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