【ご相談内容】
さて今日は、2023年最後の法律相談コーナーですが、来年2024年の為に知っておきたい法律についてお話をしていただこうと思います。
A 一般民事、日常生活において関わる可能性のある法律について、4つお話します。
一つ目。まず相続登記の義務化。4月から。相続によって不動産の所有権を取得してから3年以内に相続登記の手続きを行うことが義務付けられます。不動産を相続したことを知ったときから3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合には10万円以下の過料が科せられることになります。過去に相続した相続登記未了の不動産も対象となります。土地所有者不明問題とか空き家問題を改善する目的ですね。
Q 音信不通の相続人がいたり、遺産分割協議がまとまらない場合には、3年のタイムリミットがとても気になりますが??
A 「相続人申告登記の申出」の制度を利用して、自分が相続人であることを法務局に申し出れば、ひとまずそれでOK。「私は登記名義人の相続人のひとりです」と名乗りでているだけなので、この申出をしたとしても不動産の所有権を取得したことにはならない。
Q 二つ目の法律は??
A 二つ目。パート・アルバイトなどの短時間労働者を社会保険(厚生年金健康保険)に加入させる義務の拡大。10月から。
現行、短時間労働者を除く被保険者の総数が常時101人以上の事業所につき加入義務があります。10月からは常時50人超=51人以上の事業所まで拡大します。社会保険加入への条件のハードルを下げた格好になりますね。
Q じゃぁ51人以上の会社でアルバイトの学生さんを雇うと社会保険に加入させるということになる??
A この話は、①勤務先の会社が51人以上の事業所であること、その次に②働く自分自身が【短時間労働者】に該当すること、の二つの条件を満たす必要があります。
【短時間労働者】とは、㋐1週間の所定労働時間が20時間以上・㋑雇用期間が2カ月超見込まれる・㋒賃金の月額が8.8万円以上・㋓学生でない、のいずれをも満たす必要があります。
なので、その場合、学生さんをアルバイトで雇用するとしても、社会保険加入は必須ではないことになります。
(次回につづきます)