相続財産清算人とは?(旧 相続財産管理人)

【ご相談内容】

遠戚の預貯金の取り扱いについて。遠戚にあたる人が介護施設で亡くなりました。身内がおらず、かねてから近所に住んでいた私がキーパーソンになって、事務的なことやらお金のこと、葬儀などをやってきました。その方が亡くなり、一旦は私が通帳などを預かることにはなりましたが、私は相続人ではないのでこれ以上どうしようもありません。葬儀費用やその他の立替分もあったりします。どのようにすればよいでしょうか?

Q キーパーソンとして通帳を預かったものの、相続人ではないのでどうすることもできない、とのご相談です。

A 介護施設としてもいつまでも保管するわけにもいきませんしね。

Q ただ、ご相談者が持っていてもどうしようもできない・・・。

A 銀行が払い戻しに応じることはないからですね。この場合、裁判所の手続で相続財産清算人を選任してもらう必要がありますね。ただし、あくまで、亡くなった方に相続人はいないようだ…と調査をした上での話ですが。

Q 相続財産清算人とは?

A 今年の3月までは相続財産管理人と呼んでいましたが、4月以降は相続財産清算人と呼称が変わりました。

亡くなった方の財産(+でも-でも)を相続する人がいない場合、その遺産は宙ぶらりんの状態になっているわけです。で、それを一時的に管理し、自らが亡くなった代わりとなって債権者或いは債務者となり、第三者との間に残っている債権債務関係の清算を進める立場の人を相続財産清算人といいます。例えば100万円の貯金が残ったままの状態でそれをいったん預かる、で、支払っていない債務はありませんか?と公示する。官報を使って呼びかける。逆に負債が20万円残っていた。となればその債権者に財産の中から可能な限りその債務を支払う・・・などの事務を行います。

Q ということは、ご相談者には葬儀費用などの立替分があるから、そこから支払ってもらえそうですね?

A そうですね。それに、預かったままの通帳の存在自体をどうにかしたいわけです。そのためには、家庭裁判所に行って、亡くなった方の相続財産を管理・清算する人を裁判所で選任してください、という申立てをする必要があります。

 ただ一つ留意点があって、その遺産の内容・金額によっては、選任申立ての初期段階で50万円程度のまとまったお金が必要となるケースがあります。将来的に相続財産清算人の報酬に充てられる可能性があります。もちろん、遺産自体が多いのであればいいのですが、そうでない場合には、多少の報酬費用を申立人の側で準備しなければならないケースがありますので、その点は事前に確認をしていたほうが良いと思います。

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