怪しい物には手を出さない! (ネガティブオプション)

【ご相談内容】

ある時、妻宛に健康食品の入った小包が届き、特に気にすることも無く受け取ってしまいました。ところが、妻に聞くと、「全く身に覚えの無い注文」だとか・・・。健康食品と一緒に請求書が入っており、“代金を支払わない場合には、法的手続をとります”と書かれており、困惑しています。どのように対処すれば良いのでしょうか?

A 一般論的に言えば、そのまま“放置”がベスト。いわゆる送りつけ商法といいます。別名ネガティオプション。“放置する”とは言っても、それぞれの事情・状況は異なるだろうから、事前の予防策として弁護士の専門家には相談はしておいた方が良いですね。

Q なぜ、“放置したまま”でよいのですか?

A 理由は簡単です。売買契約が成立していないからです。契約が成立するためには、売りますよ!買いますよ!という双方の意図が合致しなければならないわけですが、勝手に送りつけただけでは、相手の業者は「売りますよ!」という事情はあるけれども、こちら側は「かいますよ!」なんて一言も言っていないんです。だから契約は成立していない。

Q でも、小包を開けて商品を取り出してしまったら、こちら側に“購入意思がある”と言われませんか?

A こいつ、この商品を買う気があるな!と判断されてしまう段階というのは、実際にその商品を使ってしまった段階です。単に、小包から商品を取り出しただけでは、契約は成立していないと考えて下さい。

Q となると、開封はしてしまったけど、商品を使わずにそのままにしておけば良い、ということですか?

A そう。とりあえず、一切手をつけず、14日間そのままの状態で保管をしておく事が大切です。ただし、その商品はあくまで、送りつけてきた業者の持ち物ですから、不気味だなと思って勝手に捨ててはいけません。

文責 弁護士 和田拓郎

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