ラジオ相談

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本稿は、ラジオリスナーの皆様へ、わかりやすく法律問題を解説した放送内容を書き起こしたものですので、性質上、言葉の引用に正確性を欠く部分もありますこと、ご了承下さい。
  • しまった!返済期限を決めていない! (内容証明による催告)

    2015年7月15日

    【ご相談内容】

    数年前に、友人に頼まれてお金を貸しました。最初の頃はちゃんと返済してくれていたのですが、最近は「もう少し待ってくれ」と払ってくれません。こちらが「契約書があるんだ。支払ってくれ」と言っても、友人は、「その契約書には、返済の期限を決めていないじゃないか。その契約書は意味が無い」といって支払に応じてくれません。どうすれば良いですか?

    Q その友人は、“ 契約書にはお金を返す時期が書かれていないから、まだ返さなくて良いんだ!” っていう理屈なのでしょうね?

    A そう思います。貸した側( 相談者) も、無用なトラブルを避けるためにも、わざわざ一筆貰ったのでしょうが、そのことに気持ちが入ってしまったばっかりに、“ いつ、返して貰うか ” ということについては気が回らなかったのかもしれません。今回のご相談に限らず、本当によくある話です。

    Q 本当に返して貰えないのでしょうか? というか、いつになったら返して貰えるのでしょうか?

    A 貸した金額にもよりますが、だいたい1ヶ月後には返して貰えるのでは?と思います。おおざっぱに言うと、1ヶ月後くらいには返しなさい!と要求できるケースが多いと思います。つまり、契約書に返済の期限が決められていなくても、法的に返せと要求できるんです。

    ただし、実際に相手が返すかどうかは別問題ですが。

    Q じゃあ、1ヶ月経った後に、「お金返せ!」と裁判ができるということですか?

    A 裁判をする前に、一回、文書で「1ヶ月後を期限にして支払なさい」と催促をしておく必要がある。これが重要です。よく言う“ 内容証明 ” を使うんです。

    重要なのは、催促をするということ。“ 返済は1ヶ月後とか2ヶ月後 ”といった期限・時期の問題ではありません。その点は注意して下さいね。

    Q なぜですか?

    A 借りた側は、「契約書に返済期限書いてないじゃないか!」と反論してくるわけですが、その反論を法的に封じ込めるためです。契約書が不十分であるという弱点を補完する為のステップとして、1回、「金払え!」と催促する作業をかませるんです。

    その上で訴訟やら調停やらの手続を進めていくことになるでしょう。

    ただ、あくまで、「金払え!」と法律に基づいて要求することができるだけであって、実際に金を支払うかどうかはわかりません。「返済期限決めていないじゃないか」なんて屁理屈を出してくるところからも、相手は、なかなか手強い人物かも知れません。そもそも返済する気すら無いかもしれない…。

    Q そういう場合どうするのですが?

    A だからといって諦めるのではなく、粛々と訴訟なり手続を進めるべきでしょう。

    文責 弁護士 和田拓郎

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