【ご相談内容】
お隣に住む方が、最近になって自宅をリフォームされたのですが、台風や大雨の日が多くなったこの頃になって、その大量の雨水が、お隣の家の屋根から、ビシャビシャと直接私の家の方に降りかかるように流れ出しており、困っています。リフォーム前にはこのようなことは無かったんです・・・。お隣さんの家が違法建築というわけでもなさそうですが、なにか苦情というか注文を言ってもイイのでしょうか?
A 端的に、“雨樋を設置してくれ!”と言うこととができます。ただ、時代的に、雨樋の無い屋根なんていうのは普通は考えにくいので、“ 雨水がこちらにかかってこないように設置し直してくれ!”と言うことになるでしょう。
Q 隣人との長いお付き合いの場面ですから、その程度のことは言ってもよさそうですが、法律的に、何故そのようなことが言えるのですか??
A 民法という法律に書いてあるからです(笑)。“ お隣の土地に雨水を直接垂れ流してしまうような屋根を作るな …”と。
ご相談者は、“ 隣家が特に違法建築の家ではなさそうだ ”という点を気にされているが、隣家の家が、どんなに奇抜な家であろうがなかろうが、法律に触れるような家であろうがなかろうが、そのようなことは関係無しに、“ 垂れ流すような構造の屋根を作っちゃいかん… ”と決められているんです。
Q とはいっても、どうしても、水というのは高いところから低いところへ流れていくわけですから、“水が流れ出てくることくらいは大目に見ようよ”という考えもできそうですよね?
A 例えば、視点を変えて、ゴミの不法投棄の場合には、そのゴミを撤去しろと請求をすることになりますよね?今回の雨水というのもパラレルに考えるわけです。
何もわざわざ隣の土地・家に流れ出すような屋根を作るのはおかしい。わざとだろ!結局、土地建物の所有者(今回のご相談者)に迷惑をかけることになるから、ゴミではなく、単なる雨水であっても邪魔者扱いされる場面があるんですね。
Q 今後、ご相談者としては、“雨樋を設置して欲しい”ということを、直接、隣人に直談判をするか、調停のような裁判手続を利用するということになるんでしょうかね?
A そうですね。本来的には、①損害賠償請求とか、②その屋根そのものの撤去とかを請求することも理論的にはあり得るが、屋根を壊せというのはあまりに非現実的ですから、やはり“ 雨樋をツケ直せ ”と主張していくのが無難でしょう。