都会に住む息子宛ての訴状が我が家に届いたら・・・

【ご相談内容】

裁判所から息子宛ての封筒が届き、急いで開封したのですが、どうやら息子が、どなたかからの借金の返済を求められているようです。その封筒の中には、「〇月〇日に裁判所に出頭しなさい」とか、「〇月〇日までに答弁書を提出してください」といった文書が入ってました。

息子は今、県外に住んでるので、ひとまず息子にこれを送るほかありませんが、その後どうすればよいのでしょうか?

A これは、借金の相手から「金を返せ」という訴状が届いた、ということでしょうね。すぐに息子さんにその書類を郵送するのと同時に、スマートフォンで書類一式を写メして、息子さんに送っておくことがベター。あとは息子さんに行動してもらうのがよいでしょう。

Q 息子さんからしてみたら、この後、どうすればよいでしょうか?

A 身近にいる弁護士などに相談するほか、弁護士会が主催する法律相談、市役所等の行政サービスとしての法律相談などに申し込むのが良いとは思いますが、一般論として実は訴状を受け取ってからは残り2~3週間しか余裕がない状況だと思います。とにかくは弁護士事務所に駆け込まれたほうが良いと思います。

なぜなら、先ほどの話にもありましたが、“答弁書の作成”という作業があるからです。

Q “答弁書の作成”とは?

A 相手=原告が主張している事実関係に対する、こちら側=被告の言い分(いいぶん)を書面にして出すという作業のことです。

裁判所から答弁書のひな形自体は送られてくるのですが、結局、この答弁書に何をどのように書くのか、ということを皆さん悩まれて相談に来られるわけです。『答弁書の書き方がわからない』というご相談です。今時は、電話相談とかインターネット上の相談というやり方もありますが、自分でとりあえず書いてみた書面を専門家に確認してもらうとなると、どうにも心細いですよね!?

で、ほかに3点、大事な点をお伝えします。

Q どういった点でしょうか?

A ①まず、心当たりのない迷惑メールやDM、郵便物、電話については「無視する」というのが鉄則ですが、裁判所から届いた、原告からの訴状を無視したままですと、相手の言い分をそのまま認めたことになります。無視はしない。必ず封を開け、弁護士等相談にいくべきです。そして何かしらの法的リアクションをとらなければなりません。

劇場型詐欺の話もしますけど、裁判所とか弁護士を名乗る人物がいきなり電話してきて「息子さんが訴えられたから(訴えられそうだから)、先に金を払って」といった類いの話・・・。プロはそのような拙速な動きは取りません。

③最後に。今回のご相談例によくある話なのですが、県外にいる息子さんと連絡がつかない、息子さんが忙しすぎて日中動けず弁護士事務所に相談に行く暇がない、都会に知り合いの弁護士がいない、などの理由で、結局、親(ご相談者)が息子さん達に代わって相談に駆け込まれることがあります。慌てて息子さんに書類そのものを郵送する前に、いったん、ご自身でコピーをしておくこと、意外と大事です。

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