【ご相談内容】
今日は、今までの放送でも何度か話をしていただいたフリーランス保護法に関するお話をしていただきたいと思います。
(過去の放送分は→こちら)
A 新聞やニュースでご覧になった方もいらっしゃると思います。3月28日の新聞で、公正取引委員会が、45の事業者に 対して、契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導を行いました。事業者名までは明らかにされていませんが、どういった法律違反があったかをホームページで知ることができます。
公取委の発表概要は→こちら
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Q あらためてですけど、フリーランス保護法とは?
A 正式には、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。会社に属さず、誰かを雇うわけでもなく、一人で業務委託の仕事を取って収入を得る形態ですね。 報酬額やその支払い時期などを口約束するだけだったり、せっかく出来上がった製品を何かとイチャモンを付けて受け取らなかったり、後になってから値下げを要求したりする、そういったトラブルを防ぐための法律です。
Q 去年の11月にスタートしたんですよね?
A そう。で、今回、公取委曰く、「フリーランスとの取引が多い業種であるゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業及びフィットネスクラブの事業者」について集中的に調査を行ったようです。
Q フリーランスというと、司会業や○○クリエーターというような創作業務のイメージがありますが、そうとも限らないわけですね?
A 確かに。結局、一人で何かしらの業務を受けて、一人で実践し、その対価を貰う関係全般がフリーランスなんですね。
違反事例を読んでみますと、整体事業社から整体師として整体施術を業務委託されたり、フィットネス事業の会社からパーソナルトレーニングやインストラクター業務をやってくれと依頼を受けるような場合も、フリーランスになるんですね。とあるフィットネス事業者がSNSへの動画投稿を業務委託した際の違反事例というのもありました。
Q 本当に幅広いんですね。
A 以前は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)という法律しかなく、それは発注者が少なくとも資本金1千万円以上の法人であること、というのが条件とされています。それが個人vs個人の取引においても適用されるのが今回のフリーランス法です。
下請法もフリーランス法も、取引当事者はあくまで対等な立場であり、メリットデメリットを明確にしたクリアな取引をしましょうという目標のもとにある法律です。
救済場面のすそ野が広がったわけ。かつては ” 下請けいじめ ” があったとしても、被害を受けた会社がそれを公表することで、更なる追加制裁を恐れてしまうがため、違反事例は鳴りを潜めていたわけですが、受注者に個人も含まれることとなり、且つ、各人がSNS等でつぶやく環境ができあがってる(良し悪しはありますが…)ことで、違反又は疑い事例を外部に公表することの心理的なハードルが下がり、それが違反の実態把握につながっている部分はあると思います。
今回はフリーランス法に関するお話でしたが、この1~2か月間の新聞を読んでいても、下請法違反のニュースの頻度が上がってるような気がします。先日も大手の洋菓子メーカーや家電量販店が公取委から勧告を受けた内容が新聞に出ましたね。