2025年の法改正①~育児休業関連

【ご相談内容】

今年最後の法律相談コーナーですが、2025年の法律改正についてお話をしていただきたいと思います。

A 昨年はタクシーやトラックドライバー残業規制2024年問題もありましたが、日常の暮らし・生活・働き方という観点から、大きな目玉となるような法律の制定・改正がありました。不動産の相続登記義務化、女性の再婚禁止規定の撤廃、フリーランス保護など。

2025年の目玉としては、育児介護休業法の改正が大事かなと。

Q 育児介護休業法とは?

A 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関すル法律。育児休業とか介護休業とか取れるようにすることで仕事と育児介護を両立させるような環境作りをしましょうということ。これ自体は30年近く前から存在するんですね。イクメンなんて言葉が流行った最近…というわけでもないんです。

Q どういった改正が予定されていますか?

A 子育て世代に対してより柔軟な働き方を認めていこうという点が目玉ですね。で、2025年4月1日と10月1日の2回、ドンドンと法改正があります。

Q 2回あるわけですね!? では4月1日はどのようなことが予定されてますか?

A ①ちょっとした朗報の1つだと思うのですが、子どもの入園式や入学式に出るために仕事を休むことが許されますよ。雇用主は駄目とはいえない。今までは子どもが怪我したんで、病気になったんで・・という理由の休みはよかったが、入学式参加は法律上は駄目だった。

「入園、卒園または入学の式典その他これに準ずる式典とする」と定められています(改正後の育児・介護休業法施行規則第33条の2)。

「式典」とは、一般に、行事ごとを行う式を意味しますので、卒業式もOKでしょうね。でも、例えば、運動会や授業参観などの日常的な学校行事に参加する目的で、子の看護休暇を取得することは認められない

 ②もう一つは残業免除対象が拡大するという話。

Q 子育て世代の残業免除はありがたいですね?

A 今までは、3歳未満の子を育てている子育て期間中は残業しません、できません、ということができていたのですが、2025年4月以降、小学校に入る前の親にまで対象が拡大。

Q なるほど。では10月にはどういったことが予定されていますか?

A 恩恵を受けるのは、小学校入学前の親までという点では一緒です。

雇い主側として、例えば、㋐始業時刻を遅らせることを認めるとか、㋑1ヶ月の内の一定割合はテレワークでの仕事を認めるとか、㋒そもそもの1日の労働時間を短縮させるとか、㋓企業規模によっては企業自体が保育施設を設置するとか、子供の親である労働者に対して、雇い主側として出来るところの選択肢を与える必要がある。

勿論、雇い主側として全部の対策を講じなきゃいけない、というわけじゃないです。

とにかく、ざっくりいえばそれまでは3歳未満の子の親が対象だったモノが、小学校入学前までに広がったという点がポイントです。

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