【ご相談内容】
さて今日は「知ってて悪くはない2024年法改正」の最後のお話ですね?
A 前回までの日常的なレベルの話を超えて、基本的人権にかかわる重要な話です。女性の再婚禁止期間の話。これが撤廃されますよという話です。今年の4月からです。
Q 女性の再婚禁止期間って、“ 離婚後、一定の間、女性は再婚してはいけない ” というルールですよね??
A 明治時代に作られた民法には 【 女性は離婚後6か月経たなければ再婚できない 】 という再婚禁止ルールがありました(部分的な法改正は後述)。そのルールを破って結婚した場合は重婚となりNG。この再婚禁止期間は女性にありますが男性にはないのです。
Q 女性にだけ ” 再婚禁止期間 ” がある理由はなんですか?
A あらたに授かった赤ちゃん、どうなるんですか?という問題があるからです。再婚してから子供を授かった。はて、どちらの子だろう・・・?遺伝子解析技術が発達した現代の視点ではないですよ!?あくまで、明治時代のお話ですよ。
なおかつ、(というより、技術が未発達な時代だったからこそだとは思いますが)同じく明治から続く民法では【離婚後300日以内に生まれた子は、離婚した前夫の子と推定する】という規定がありました。昔から「とつきとおか」といいますが、だいたい300日間ですね。離婚後300日以内に生まれたお子さんの父親が誰か・・・その判断に迷うから、出生届の際には前夫との間に授かった子供として届けてください、ということだった。
Q ひょっとするとその明治時代の当時は、考え方としてアリだったかもしれないですけど、今は技術も発達してますよね?
A そう。時代背景の違い、男や女といった性別・人権そのものに対する意識変化といった事情もありますが、やはり科学技術の進歩が大きい。その点を捉えて、とある女性が原告となって国を訴えました。300日の再婚禁止規定は時代的に見て不合理だ、と。そして、平成27年12月(今から約9年前)、最高裁は原告女性の考えを認め、一部法改正につながったんです。
Q どういう風に改正されたんですか?
A それまで再婚禁止期間は300日≒とつきとおかだったのが、100日に短縮されました。これが平成28年の話です。ただ、それでも100日の婚姻制限期間はあったんです。
Q で、この2024年にはどうなるんでしょうか?
A 2024年4月1日から、女性の離婚後100日間の再婚禁止を定めた規定が廃止されます。それに伴い、離婚後300日以内に生まれた赤ちゃんは ( 前夫ではなく )再婚した夫の子と推定されるようになります。
前夫の子として届け出ることを躊躇してしまうことで出てきてしまう「無戸籍の子ども」を防ぐという大きな意義があります。