全面リフォームで敷金が…!

【ご相談内容】

仕事の都合で、長年住み慣れたマンションを出たのですが、敷金の返還に関して、大家さん側とトラブっています。大家さん側に言わせると、「リフォーム代にものすごくお金がかかったので、敷金は帰ってこない。むしろ、手出しをして欲しい」と言われました。私は部屋の中でタバコを吸っていたわけでもなく、綺麗に使っていたのに、手出しが出るというのは納得がいきません。

 

Q ご相談者は「綺麗に使っていた」ということのようですが・・・。

A 「長年住んでいた」というキーワードが気になります。長年住んでいると、当然、部屋全体がくすんでくるし、デザインや部屋の雰囲気が時代遅れになってしまった可能性はありますね。ひょっとすると大家さんが、部屋全体の全面リフォームをして、その全面リフォーム代全額を支払ってくれと言われているのではないでしょうか?

Q 要するに、新しい入居者を募集するために、部屋全体を綺麗に改装する場面ということですか?

A そうなれば、それははっきり言って、大家さん側の都合だから、手出しをしないで済む可能性が出てきます。ひとまずは、その補修・クリーニングに関する見積書を見せて貰うのが良いでしょう。

Q でも、その補修代金の明細を見せて貰ったところで、実際には、もうその部屋を立ち退いてしまった後でしょうから、金額が適正な金額かどうかは、現場を確認しようがありませんよね?

A そこが弱点です。だからこそ、入居時に、既に故障・破損している部分については写真に撮っておき、早めに大家さんに連絡をしておかなければイケナイのです。

  もし、そのような作業をしていなかったとしても、最後の切り札として、国土交通省が出した敷金ガイドライン(【原状回復をめぐるトラブルとガイドライン】)という資料を基に、借りた側で負担しなければいけない金額を算出してみるというのがよい。世の中で、敷金トラブルが頻発するということで、借りた人には、どういう場合にどのような費用を負担すべきかということの指針が出ているのです。

不動産業界としてもこのガイドライン抜きに敷金問題は通れなくなっておりますので、大家さん側(貸主)も、ガイドラインを無視して漫然と賃貸借契約書を作ったり、古いタイプの契約書を使い回してみたり、漫然と補修費用を請求していてはダメな状況です。他方で、借りる側も、ガイドラインの存在を知らないと損する場面(敷金があまり帰ってこない)というケースもあるということは頭に入れておきたいですね。

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