【ご相談内容】
駐車場を歩いているときにケガをしてしまいました。周囲が暗くて状況がよく見えなかったのですが、車のリアウィンドウについているワイパーが飛び出していて、そのワイパーが顔に突き刺さり、もう少しで私の目に当たるところでした。ワイパーが飛び出したままの状態で車を駐車するなんて、とても危険だと思います。ケガの責任は取って貰えるでしょうか?
Q ワイパーが飛び出していた、とはどういう状況なんでしょうかね?
A 火山灰対策でしょうかね??。鹿児島市内だと、夏場に、ワイパーを“立てておく”という光景を見かけますが…???
それはそれとして、正直なところ、当時の事故現場、事故状況が詳しくわからない限り、どちらが悪いかということはお答えしにくいですね。こういう風に考えられる、ああいう風にも考えられるという話をしようと思います。
Q 例えば、どういう可能性がありますか?
A まずは、その相談者が歩いて通った駐車場内の道というのが、普段はどういう使われ方をしているスペースであるのかという点が気になりますね。①そもそも、そこは歩行者用の道として駐車場の一スペースが確保されており、日常的に使われているところなのか、それとも、②単に、その車のバックスペースがたまたま空いていたから、ショートカット、近道するために歩いていたのか?というような視点です。
Q 二つの視点によって、何が違ってきますか?
A ①もし、日常的に歩行者が通ることが予測できるような場所であれば、車の持ち主は、通行人がケガをしないように配慮しなければならないわけですから、車の持ち主に責任が生じやすいと言えるでしょう。②反面、“たまたまバックスペースが空いていた”というような場合、つまり「普段、そこは人は通らないでしょ!」というような場合には、むしろ歩行者の側に、周辺に注意して歩かなければならない義務があったといえるでしょう。
Q なるほど、ご相談者が、“どういうところを歩いたか?”という問題意識ですね?
A 裏側から説明しますと、“じゃ、その駐車場がどういう駐車場なのか?”ということも気になります。暗いと言うことなので、おそらく青空駐車場かもしれません。じゃぁ、その青空駐車場とやらは、㋐公園にあるようなだだっ広い駐車場なのか、㋑それともマンションの敷地内にあるような駐車場なのか?
㋐だだっ広い駐車場だと、車の前後左右を人が通る可能性があります。そういった意味では、車の持ち主は、歩行者の通行を妨害しないように気をつけなければならないでしょう。㋑他方で、マンションにあるような駐車場だと、車の後部付近には、壁があったり塀が建てられていたりするのではないでしょうか?そうなると、逆に、“なぜ、そんな場所を歩いたの?歩かなきゃ良かったのに”・・・という話に流れて行きやすいでしょうね。
今のお話しからわかるように、当時の様々な状況を考慮して、持ち主の責任の度合いを量る必要があります。いわゆる交通事故問題でキーワードとなる《過失相殺》の考え方を応用しちゃうんですね。