要チェック!~ 渡航の自由 vs 生命身体の保護 ~

このタイトルからピンっと来られた方もいるかも知れませんね。

「イスラム国」関連の取材をしようとシリアに渡航予定だった日本人が、外務省からパスポートを返納させられた問題です。

ご存知のとおり、日本国憲法は、国民に対して、取材・報道の自由 (【表現の自由】の一つ) microphone91や海外渡航の自由 (【居住移転の自由】の一つ) airplane68を保障しています。

とはいっても、何でもかんでも、やたらめったら、“自由”というのが認められるわけではありません。

パスポートに関する旅券法では、『( その人の ) 生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合 』 には、外務省は、その人に対して、「パスポートを返しなさい!」と命令をすることができますinternational22

となると、憲法で取材の自由・海外渡航の自由を保障しておきながら、旅券法では、結果的にその自由を制約するようなパスポート返納命令を規定していることになりますから、

はてさて、外務省が出したパスポート返納命令は憲法に違反する!というような憲法問題を含むことになるんですね。

今後、この日本人男性が、外務省相手に、憲法問題を主張していくのか否か・・・法律的な問題として気になるところです。

文責 弁護士 和田 拓郎

 

 

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