6月24日、総務省は、携帯電話会社が容疑者本人に通知連絡しなくても、容疑者の居場所情報(容疑者が持っている携帯電話に内蔵されたGPS機能を利用した情報)を警察に提供できるようにする、と指針を改めました。
6月5日には、大阪地方裁判所が、捜査令状なしに、警察が勝手に容疑者の車にGPS発信器を取付けた点が「違法」と判断しました。
さて、ここからが本題。
上の二つの話は、警察とGPSの関係でしたが、一般市民とGPSの関係はどうでしょうか?浮気を立証するために、配偶者や浮気相手の車にGPSを取付ける場合です。
対象者の車に無断でGPS発信器を取付ける行為に、プライバシー侵害の可能性がある点はすぐおわかりだと思います
問題は、GPS情報を手がかりにバッチリと浮気現場を写真に撮られてしまい、浮気の証拠とされ、慰謝料ウン百万円が請求された場合、撮られた側は何か言えないのでしょうか?
結論的には、プライバシー侵害を理由に損害賠償請求を“ 逆に ”仕掛けるか又は慰謝料額の減額を求めるなんてこともありえますが、どれ程の効果があるか??…というところです。
むしろ重要なのは、浮気の証拠を“存在しなかったものとすることはできない”ということ。自分のプライバシーを侵害されたといっても、「黒」を「白」には変えられないこと。
肝に銘じておかなければなりません。
文責 弁護士 和田拓郎