切実! 離婚後300日問題とは?

【ご相談内容】

この春に出産予定です。私は今、夫との離婚協議中でして、別の男性と交際しています。お腹の子は、その新しい男性との間に出来た子どもなのですが、このまま出産するとなると、現在まだ離婚協議中の夫の戸籍に入らなければイケナイとのことです。それだけはどうしても避けたいです。何か良い方法はあるのでしょうか?

A これは、昨今、社会的問題にもなっている「離婚後300日問題」とか「戸籍の無い子ども問題」に関連するご相談でしょう。生まれてくる子どもの戸籍はどうなるのかということが問題点です。

Q 「離婚後300日問題」「戸籍の無い子ども問題」とはどういうことですか?

A 親子関係に関するルール(民法)が絡んでいます。離婚が成立していない状況で生まれた子どもは勿論のこと、離婚は成立しているんだけどそれから300日が経過しないうちに生まれた子ども、血の繋がり関係なしに、(前)夫の子どもとして法律上位置付けられます。つまり(前)夫の戸籍に入るんですね

Q 「戸籍の無い子ども問題」とはどういうことですか?

A 生まれてきた子どもは前夫の子として戸籍上記載されるので、それを嫌がる母親が、そもそも出生届を出さずにいるというケース。この場合、子どもは紛れもなくこの世に生まれてはいるけれども、法律上はこの世に存在しないということになります

Q このような問題を解消するためにはどうすれば良いのですか?

A いくつか方法があるのですが、遺伝上の父親ではなく法律上の父親、つまり前夫がこの問題について、どの程度積極的に関わってくれるかどうかによります。

代表的な方法を挙げるとすれば、別れた夫側から、“ 生まれてきた子は、俺の子じゃない! ”という調停を申立てるケースもあるし、逆に母親側が、“ この子は前夫との子ではないハズよね?? ”ということ確認するための調停がある。これを親子関係不存在確認の調停といいます。他に強制認知という方法もあります。

Q 生まれてきた子どもと前夫との間に“遺伝上の繋がりが無い”ということは、どのようにして説明するのですか?

A 前夫と母親との間の、過去の性交渉その他の事実関係にもよりますが、遺伝上の繋がりをハッキリと確認できるのはDNA鑑定ですね。DNA鑑定と聞くと、なんだかとても高額な費用が掛かりそうですが、実はそうでもありません。裁判所に確認をされたらよいです。昨年末には、有名芸能人夫婦の親子関係不存在確認の裁判があって、DNA鑑定を利用したことはご存知の方も多いのでは?

 

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