何でもかんでも支払え!と言われてもねぇ・・・。

【ご相談内容】

自宅の前の路上で日曜大工をしているときに、私の不注意が原因で、通りがかりの人にケガをさせてしまいました。後日、ケガをした人から、「コレコレ・カクカクシカジカの理由で慰謝料を払え」と言われてしまいました。挙げるとキリがないのですが、①病院に通院するハメになったから慰謝料5万円、②ケガをしたことで、町を歩くことが怖くなったから慰謝料10万円、③友人達が相談に乗ってくれたのでその御礼代としての慰謝料5万円、④ケガをさせた際に私(ご相談者)が暴言を吐いたから慰謝料10万円・・・等とキリがないほどに慰謝料を請求されました。どのように対応すれば良いでしょうか?

Q 最終的な結論としては、ここまでこじれている場合には、弁護士に相談をされることをお薦めします。一応のアドバイスをご説明しますが、通行人にケガをさせてしまったことに関して、こちら側にミスがある場合には、慰謝料という名目であるかないかにかかわらず、一定程度の支払いは念頭に置いておくべきです。ただ、何でもかんでも支払うべきというものでもありません。

A 例えば、どのように考えていけば良いのでしょうか?

Q 例えば、①病院に行かざるを得なくなったから慰謝料5万円という話についてですが。通行人が負傷してしまったケガの程度、病院にどの程度の期間通院したのか、その間の治療費はどのくらいなのかというような事を考えれば、慰謝料という名目はともかくとして、5万円くらい支払う必要が出てくる場合もあるかもしれません。この点は、まずは治療費用の領収証の中身を確認することが重要ですね。

Q ②町を歩くのが怖くなったから10万円、というのはどうでしょう?

A 例えばその事故が、人生80年の中でなかなか遭遇することがないような衝撃的な事故・悲惨な事故とかというのであれば、その事故によってショックを受け、PTSD(いわゆるストレス障害)に罹患したというような話も出て、慰謝料のはなしにmでしょうが、今回のご相談のように、日曜大工をしている人の側を通ったらケガをしたというような事故のレベルで、それが引き金になって “ 町中を歩くのが怖くなった ” というのはちょっと考えにくい。不当な請求、過剰な請求と捉えるべきでしょう。その場合、支払いに応じる必要は無いでしょう。

Q ③友人に相談をせざるを得なくなったから慰謝料5万円というのは?

A これも疑問ですね。慰謝料というのは、いわば細かい明細項目といったものをドンドン積み上げていくという感じではないんです。これがあるから+5万円、アレもあるから+5万円、その他にもこういった事情があるから+10万円・・と積み上げた結果としての合計額が慰謝料です!というようなイメージではないんですね。ケガをしたことによって、その人の日常生活上に色々な支障や精神的なストレス・苦痛が出たのだろうから、それを全体として総括的に慰謝料〇万円ですよ!というような、ある種、ザックリとした金額で把握される性質のものなのです。

言い換えれば、全体としての慰謝料額が、その事故状況、負傷状況において適正な範囲内の金額であると判断できる場合には、支払うべきでしょうが、全体の金額として不相当・過大であるというのであれば、一旦は支払を拒否し、減額の交渉をするということになっていくでしょうね。ですので、やはり、弁護士に任せた方が良いのです。

 

 

 

 

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